音楽を理解するには恋愛や人生経験が必要だ

あなたのキスを数えましょうという曲がありましたが、今さらながらいい曲だなと感じるようになりました。

今では既に失恋しているのですが、遡ること2か月ほど前、ひと目ぼれをした女性がおりました。今までふた目惚れや3目惚れぐらいはちょくちょくしていたのですが、私にとって1瞬で恋におちたのはその女性がはじめてのことだったのです。

人はなぜ1瞬で恋におちるのか?

私は目からその人のすべてを理解して恋に落ちるのだと考えております。目は口ほどにものをいうといいますが、目を見れば、その人がこれまでどういった人生を歩んできた女性なのかはだいたい想像がつきます。いじわるそうとか、優しそうとか、あるいは力づよいとか、自信とか誠実そうとか真面目とか、だいたい目は嘘をつくことがありません。

その子は今まで出逢った女性のなかでも、最高に優しく美しい瞳をしていました。また、実際に話してみてもやさしく素敵な女性でした。エマワトソンをちょっとかわいくしたぐらいの女の子でしたが、出会えたことはまさに奇跡としかいいようがありませんでした。

それからというもの、毎日のようにちゅっちゅっ、ちゅっちゅしていたのですが、何だかんだで自分の愚かさから別れる結果になっております。サヨナラしてからというもの、暫くの間は茫然自失としていたのですが、最近になってようやく穏やかな日常を取り戻しつつあります。

そんななか、ふと思い出した曲があなたのキスを数えましょうという曲です。

実際、その子とはわずかな時間しか会えてはいなかったので、それほど多くの想い出はありません。想い出すことといえば、その子の優しい笑顔と毎日のように交わしたキスぐらいです。

今になってふと、何回キスしたんだろうと考えてしまうわけですが、そんなとき、上記の曲が頭をかすめるようになったのです。「あんな近くに触れたのに」とか「出逢わなければよかったの?」とか、月並みなフレーズですが、ずっしり心に響きます。

今まで特にその曲に興味はなかったのですが、今さらながらよい曲だなと思うようになりました。

以前まではキスを数えてどうすんだ、意味不明と考えていたものですが、数えるというのは思い出すという意味だったのですね。一番最初のためらいがちのキスから、まっぱで強く抱き合ってのキスまで、ひとつひとつ思い出すたび、せつなさがこみ上げます。

ま、男がキスを思い出して感傷に浸っていてもキモイだけなんですけどね...。