電柱地中化によるカラスへの影響

小池新東京都知事になって電柱地中化が注目を集めていますが、ぼくが気になっているのはカラスの生態への影響です。果たして、電柱が消失することでカラスの個体数も減少していってくれるのでしょうか?

管轄はおそらく国交省、もしくは環境省になるかと思いますが、電柱地中化によるメリットの報告を読むと、カラスが電線に止まらなくなり、街のゴミをちらかすことがなくなるから、景観がきれいに保たれるメリットがあるとのことです。

ただ、ぼくはこの想定には疑問を感じております。

おそらく、電柱地中化によってカラスが電線に止まらなくなることにより、通常の民家の屋根を新たな集会所にするのではないでしょうか?

カラスは卑劣にも、背後からの低空飛行で頭部をピンポイントで攻撃してきます。これが成人男性だけを正々堂々と狙うのであればまだしも、あろうことか年端もいかない幼児や女性、高齢者など弱いものばかりに狙いを定め、背後からしつような攻撃をしてきます。

カラス側の言い分としては、ひなを守るため、巣に近づくものを追い払っているだけという認識なのかもしれませんが、何の罪もない人々に一方的に暴行を加えてくる卑劣きわまりない生き物なのです。

心臓の弱い老人などの場合、背後からの突然の襲来で心臓ショックで死亡してしまったり、しつような頭部への足蹴り攻撃で転んでしまい、頭を打って死亡してしまう人もいるかもしれません。

また、通常、カラスのテリトリーは100メートル範囲内といわれていますので、最低限100メートルは猛ダッシュしなければしつように追いかけてきます。必死になって逃げている最中、運悪く交通事故で亡くなってしまったという方もいらっしゃるかもしれません。

このような人命を脅かす、危険な害獣が自分の家の屋根に生息する事態となった場合、近隣住民との間で様々な軋轢を生むことになります。

これは人命がかかっているため、カラスの駆除は個人でも許可されるべきものと思いますが、現行の法律では動物愛護の観点から許可なく駆除することは法律で禁止されています。また、許可を得て駆除するにしても、自分の管理している土地でしか申請することができないため、通学路など近隣住民の管理する土地にカラスが生息している場合、手のうちようのないのが実情です。

東京における待機児童の問題も大切ではありますが、まずはカラスによる児童への虐待を食い止めることが第一の優先課題ではないかと考えております。

結局、個人的には、電柱がなくなることにより、さらにカラスによる被害が拡大してしまうのではないかと懸念しております。

通常、カラスが背後から卑劣な攻撃してくるのは、周囲に飛行を妨げるものがない場合に限られます。なので、傘を垂直に頭の上に上げたり、手を真上にあげたりしておけば、翼がぶつかることを恐れて飛んで来ないのです。また、電柱の近くにいる場合も、電柱に羽がぶつかる恐れがあるため飛んでは来ません。

逆に言えば、カラスの飛行経路の前方に常に電柱が入るようにして移動すれば、カラスの背後からの襲来を防ぐことができるのです。つまり、人間にとって電柱は、カラスからの隠れ蓑としての重要な役割を果たしているわけです。

もしこの電柱がなくなってしまえば、カラスの思うつぼです。地中電柱化によるカラスへの影響をもっと深く議論していくべきものと思います。