バンギャルの生態は理解不能だ

ここ数年ほどバンド好きの女の子と遊んでいたのですが、その子はライブ好きで飛行機にのって頻繁に地方まで遠征にいっていました。常々、ライブを中心とした生活に疑問を感じてはいたのですが、変わった子だなー、疲れないのかなーぐらいにしか考えていなかったのです。

あまりにおっかけ活動が熱心すぎるとは感じていたものの、楽しみを壊すようなことはしたくなかったため、特に詮索することもなくこれまで我関せずを貫いてきました。

けれども、最近、地方のライブに行くには東京の方が便利だから、上京して仕事を探し、生活の基盤を東京に移すと言い出したのです。年に何回かは地元に帰ってくるから、その時に会おうという話でした。

その子は正社員で地元ではわりと有名な会社に勤めていたのですが、ライブのためにこれまでの職歴や人間関係を変えるのは理解できません。時間的な融通が利かない不便さがあるのかもしれませんが、ボーナスなどもある会社でしたので、それを捨ててまで知らない土地でフリーターのような仕事をするのは理解できなかったわけです。

事ここに至って何かがおかしいと感じ、ネット上で調べてみたのですが、彼女はいわゆる「バンギャル(※Band Gals バンドギャル)」というカテゴリの子だったことがわかりました。てっきりガールズバンドのおっかけと思っていたのですが、いわゆる男のビジュアル系バンドのようで、よからぬ情報がネット上では氾濫しています。

お金を出してバンドメンバーに抱いてもらう、風俗産業で稼いで金品を貢ぐ、あるいはAKB商法のようなCDを何枚も買ったり、写真を買ったりしてバンドを支えるような、そんな情報がネット上では多く見受けられるのです。

金額自体はそう大したものではないと思いますが、おそらくはホストに貢いでいるような感じなのではないかという疑念が生じてしまったわけです。また、バンギャルサイドでは一般人を「パンピ」と呼んでいるようで、閉鎖的なアンダーグラウンドな世界という印象を持ちました。

ぼくらの時代のライブといえば、ヒムロックやコンプレックスなどが主流でしたが、その子がはまっているビジュアル系バンドとは音楽性の違いを強く感じています。ライブでは首をふりまわす儀式?などもあるようで、新興宗教に出家してしまったような、そんなあやうさを感じてしまうわけです。

ただ、幸いなことに、宗教とは違って時が経てばこちらの世界に戻ってきてくれそうな気もしています。友人、知人にバンドやってた人が何人かいますが、だいたい25前後ぐらいでバンドを解散して職探しをしていたパターンが多かったです。

なかには27歳ぐらいまで派遣でバンドを続けていた友人もいますが、生活がカツカツ状態だったため、生活費を援助していた時期もあり、音楽の世界で食べていくには相当厳しいという印象があります。そのあたりの区別はついていると思いますので、あと1年もすれば、バンド解散を機にこちらの世界に戻ってきてくれそうな気もしています。

新興宗教やホストの場合はどっぷり漬かってしまう可能性がありますが、バンギャルの場合はまだあっさり帰ってきてくれそうな気もするのです。