役人の忖度は収賄の一種である

松井知事が「よい忖度と悪い忖度がある」という趣旨の発言をしていますが、役人が忖度するなど言語道断です。忖度などすることなく、法令に基づいて粛々と機械的に処置するのが役人の仕事です。人の心を推し量る裁量を役員に与えてしまえば、たちまち汚職の温床となってしまい、行政が機能しなくなってしまいます。

ダチョウ倶楽部の芸に「押すなよ?本当に押すなよ?」というのがありますが、「押すなよ」という言葉は「押せ」という意味の言葉になります。相手の気持ちを忖度することで、言葉が逆の意味を持ってしまうわけです。

今回の森友学園の問題についても、同様のことが行われていたのではないでしょうか?

例えば、首相夫人が名誉校長であること、首相の名前が一時的にであれ、学校名として使用されていたこと、首相夫人付きの公務員が問い合わせを財務省にしたこと、これらは「学校を建設するように取り計らえ」と命令しているのも同じことです。

言葉には出していないかもしれませんが、これらは音にはならない言葉で指令を下したと同じことがいえるでしょう。

このような民間に便宜をはかることにより、役人が出世して高額な給与や退職金という金銭を受けるわけですので一種の収賄と同じことです。

ただし、証拠を残すことはないはずですので追求するのは困難かと思いますが、この森友学園の問題が白なわけありません。重要な案件をほったらかして、国会議員が総出で追及しているわけですので、何の問題もないなどということはまずありえないといえるでしょう。

国会議員の人たちも、何の問題もないという事件でしたら、まずここまで追求することはありません。

松井知事が言っているように、忖度があるのは仕方がないなというような空気がありますが、役員がそのような意識で行政をやっていることは非常に危機なことだとぼくは感じております。